レピュテーションリスクとは、言い換えるならば「評判リスク」や「風評リスク」で、顧客からの企業や商品に対する評価が下がる危険性です。

このレピュテーションリスクは、IT化やSNS普及とともに近年多く耳にするようになり、ITパスポートというITに関する試験でも出題されています。

さらに最近では、企業の新型コロナウイルスの影響への対応一つでレピュテーションリスクが左右されていると言っても過言ではありません。

企業のレピュテーションリスクが高まり、顧客からの評価が著しく下がってしまった場合、売上だけでなく株価にも影響が及んでしまいます。そのため日頃からレピュテーションリスクを計測、対策が重要とされています。

今回の記事では、レピュテーションリスクの意味や事例を紹介し、レピュテーションリスクの回避方法、レピュテーションリスクがあったときの解決方法を説明するため、この機会にレピュテーションリスクの内容を理解し、レピュテーションリスクを洗い出してみましょう。

目次

レピュテーションリスク とは何か

レピュテーションとは英語で=Reputation「評価」

まず、レピュテーションリスクのレピュテーション(Reputation)とは日本語で「評価」を意味します。

コンピューターセキュリティでのレピュテーション意味は、ファイルやサーバーを評価し、悪質なであるを判断するフレームワーク(枠組み)です。
迷惑メールを送信するサーバーの判断に多く用いられておりメールのレピュテーションリスクを判定します。

この記事で説明する「レピュテーション」は評価や企業認知のことで、企業を形成する要因の1つとして説明します。

レピュテーション リスクの意味を簡単に説明

レピュテーションリスクとは、企業やサービスなどの評判が悪化する危険(リスク)です。

「レピュテーションリスク」の類義語は、「評判リスク」「風評リスク」であり、レピュテーションリスクが高まれば企業の評判や風評が下がる危険性があります。

レピュテーションリスクがある・高まると悪い/レピュテーションリスクがない・低いと良いとされます。

レピュテーションリスクの使い方〜例文3つ〜

レピュテーションリスクの使い方を例文で紹介します。

1.従業員への職場に対するアンケートで従業員満足度が向上した結果、レピュテーションリスクが低下した

2.新型コロナウイルスの中で三密を避けないイベントを開催したA社は、顧客からのレピュテーションリスクが高まった

3.レピュテーションリスクを回避するため、職場での動画や写真撮影を禁止した

コンダクトリスクレピュテーションリスクの違い

レピュテーションと似たような意味の用語で「コンダクトリスク」があります。

コンダクトリスクのコンダクトは英国Financial Conduct Authority(FCA)によれば、「顧客の正当かつ合理的な期待に応えることを金融機関がまず第一に自らの責務として捉え、顧客対応、金融機関間のやり取り、市場における活動をもって、責務を示すこと」とされています。

その『コンダクト』が、適切に行われなくなる危険性がコンダクトリスクであり、コンダクトリスクは、金融機関のレピュテーションリスクであるといえます。

レピュテーション・リスクの種類や事例6つ

SNSでのバイトテロなど従業員による不祥事

企業のレピュテーションを高める1つに、従業員による不祥事の発覚が上げられます。バイトテロなどがこれに相当します。

とくに飲食店でアルバイトの従業員がわざと汚れた素手で食材を掴んだりする動画などは、近年よくTwitterやInstagramのストーリー・YouTubeなどのSNS拡散されて発覚し、店舗や企業に大きな損失が出ています。

バイトテロをおこした本人はさほどインターネットで拡散されないであろうと思っていても、ニュースで取り上げられる事例は多くあります。

レピュテーションリスクが高まり風評被害となる悪評レビュー

消費者からの悪評なレビューは、レピュテーションリスクを高めます。

悪評レビューのなかでも事実とは異なり、単なる不満解消目的の書き込みであれば、レピュテーションリスクが高まるだけでなく風評被害となってしまいます。

口コミサイトの増設やSNS普及により、誰でも簡単に口コミなどのレビューが書けるようになったため、レビューによるレピュテーションリスクが高まりやすくなっています。

個人情報などの「情報管理不足」による情報漏洩はレピュテーションリスクを高める

個人情報が適切に管理されずに情報が漏洩してしまうなど、セキュリティ不足が発覚された場合、レピュテーションリスクが高まります。

元社員による悪意のある書き込み

会社に不満を残したまま退職した社員による会社に対する悪意のある書き込みは、特に転職者や就職活動生からのレピュテーションリスクを高めます。

反対に日頃から従業員満足度向上に努めていれば、レピュテーションリスクが下がります。

従業員満足度調査で不満があった場合にその都度解消しておけば、不満が残ったまま退社する社員とそれにともなう悪評な書き込みが低減されます。

企業の法令違反(社内不正と内部告発)

企業のコンプライアンス(法令遵守)はレピュテーションリスクと深く関係します。

最近ではCSR(企業の社会的責任)が重要視されており、コンプライアンスも投資家や消費者が重要視する時代となりました。

そんな中で企業が法令違反してしまった場合、投資家や消費者からのレピュテーションリスクを高めてしまいます。

ステマによる宣伝方法やサービスの質が低下

ステマによる宣伝方法やサービスの質の低下もレピュテーションリスクを高めます。

ステマとはステルスマーケティングというマーケティング手法で、消費者に広告と明記せずに、好評価の口コミと装い購入へ導く方法です。

一般の消費者によるSNSなどで商品のPRが進む中、ステマはわざとつくられた高評価の口コミのようなもので、レピュテーションリスクを高めてしまいます。

サービスの質の低下は企業努力によってレピュテーションリスクの高まりを回復できますが、ステマなどの販売方法がレピュテーションリスクを高めてしまった場合、回復は困難となります。

企業のレピュテーションリスクが日本で注目される理由2つ

IT化に伴うレピュテーションリスクの高まり

今はIT化の高まりでインターネットを利用して誰でも企業や商品に対する評価ができる時代です。直接発言しにくい企業やサービスに対する不満でも、SNSなどインターネット上では気軽に書き込めてしまいます。

誰でも企業を評価できレピュテーションリスクが高まっているため、企業のレピュテーションリスクが注目されています。

企業判断における価値観の多様化でレピュテーションリスクが高まった

近年の日本企業は単なる業績だけでなく社会的責任やコンプライアンスの面でもどんな企業なのか判断されています。

先程紹介したレピュテーションリスクの事例にも法令違反(社内不正と内部告発)があるように、投資家や消費者からの企業判断が業績だけでなく多様化し、さまざまな観点で企業判断がされるようになったためレピュテーションリスクが高まっているのです。

レピュテーションリスクはITパスポートでも出題されている

このようにレピュテーションリスクが注目されるようになり、レピュテーションリスクという用語は多く使われるようになってきました。

ITパスポートという、情報処理技術者試験の一区分である国家試験でもレピュテーションリスクについて出題されます。

企業に属すならば、レピュテーションリスクの意味や内容を知る必要があるのではないでしょうか。

レピュテーションリスクが及ぼす影響

風評被害を生むレピュテーションリスク

レピュテーションリスクが高まれば、風評被害に繋がります。

就職者や従業員からの企業評価が下がってしまえばブランディングが損失してしまい、新しい人材も集まらなくなってしまいます。

また、消費者や顧客からのレピュテーションリスクが高まれば売上損失や顧客損失にもつながってしまいます。

レピュテーションリスクを日頃から下げておき、レピュテーションリスクがある状態を見逃さなければ風評被害は生まれません。

レピュテーションリスクを回避・対策する5つの方法

従業員に対しレピュテーションリスクを教育

バイトテロなどの脅威性を伝え、従業員の些細な行動でも企業評価に大きな影響を及ぼすと教育しましょう。

また、転職サイトで投稿できる口コミなど企業に関する口コミもレピュテーションリスクに繋がると教育しましょう。

レピュテーションリスクが高まった場合、企業やサービスの評判が低下するだけでなく、売上の低下、人材が集まらない、業績低下などのリスクも伝えましょう。

先程のレピュテーションリスクの事例でも伝えたように、レピュテーションリスクに関する事例も紹介し、レピュテーションリスクに対する危機感を持ってもらいましょう。

レピュテーションリスクを生むネット・SNS利用をマネジメント

従業員による職場に対するネットでの口コミやSNSでの投稿はレピュテーションリスクを高めます。

ネットでの口コミやSNSでの投稿に関する規則も用意し、レピュテーションリスクを回避しましょう。

不適切な投稿がされないためにも、職場に関する投稿は控えるなど従業員のネットやSNS利用をマネジメントしてレピュテーションリスクをなくしましょう。

レピュテーションリスクを防ぐコンプライアンスの浸透・教育

コンプライアンス(企業の法令遵守)を重視する消費者や投資家がいるため、コンプライアンスもレピュテーションリスクに大きく関係しています。

コンプライアンスを徹底する姿勢はレピュテーションリスク対策にも繋がります。

企業の事業やサービスなどが法律を守る姿勢は重要ですが、従業員の法令遵守も重要です。

コンプライアンス浸透の体制を構築してレピュテーションリスクを低下させましょう。

レピュテーションリスクを定量化

レピュテーションリスクは回避させるだけでなく、日頃からのレピュテーションリスク計測が重要です。

レピュテーションリスクが高い、レピュテーションリスクが低いだけでなく、レピュテーションリスクを数値化すれば最適な対策方法がとれます。

レピュテーションリスクは定量化させましょう。
自社でレピュテーションリスクの数値化が困難な場合は、業者に依頼しましょう。

レピュテーションリスク高まった際の保険を用意

万が一レピュテーションリスクが高まった場合の保険を用意しておくとレピュテーションリスクによる被害を抑えられます。

レピュテーションリスクの保険はネット炎上保険と呼ばれています。

サービスや従業員に関するネガティブな評価がたり悪い評判が拡散された際、事態を収束させるために支出した費用を幅広く補償する保険です。

レピュテーションリスクがあるときの最適な対応方法

レピュテーションリスクの原因を洗い出し

レピュテーションリスクがあった場合、その原因を解明しましょう。

企業のサービスか従業員か何に原因がありレピュテーションリスクがあるのかがわかれば解決策を導き出せます。

サービスが原因の場合はサービスの改良・従業員が原因の場合は謝罪と今後の対策方法を発信しましょう。

業者に依頼

レピュテーションリスクが高まった場合、適切な処置方法を業者に依頼しましょう。

間違った対応をしてしまった場合、レピュテーションリスクは更に高まり、被害も拡大してしまいます。

レピュテーションリスクをコントロール・低下させて風評被害を防ぎましょう

今回はレピュテーションリスクの意味や事例を紹介し、レピュテーションリスクの回避方法、レピュテーションリスクがあったときの解決方法を説明しました。

日頃の従業員教育や業者依頼をしてレピュテーションリスクをコントロール・低下させ、風評被害を防ぎましょう。