今回の記事では、デジタルリスクの概要と種類・関連する事例を紹介し、デジタルリスクの管理方法を紹介します。

また、デジタルリスクの対策を事業としている企業を紹介します。

デジタルリスクとはデジタル化によるリスク

デジタルリスクとは、WebやSNSなど、インターネットの活用によって起こりうるリスクを指します。

企業のデジタルリスクは、データ改ざん・情報漏えい・風評被害などが挙げられます。
これらは経営を悪化させてしまうため、デジタルリスクから守るデジタルリスクマネジメントが必要です。

炎上を招くデジタルリスク

企業のデジタルリスクは、炎上を招いてしまいます。顧客の個人情報が流出してしまい、WebやSNSで企業がバッシングされて炎上してしまう事例は最近多く見られます。

デジタル技術が進歩して紙媒体のもののデータ化が進む一方でそれに伴うリスクも発展してしまうのです。

デジタル技術による企業のリスク3つ|事例あり

具体的に企業にはどのようなデジタルリスクがあるのでしょうか。
ここでは3つのリスクを紹介します。事例も載せますので参考にしてください。

個人情報流出・データ改ざんなど|情報セキュリティ

企業におけるデジタルリスクの1つ目は、情報セキュリティ問題です。個人情報流出やデータ改ざんなどが挙げられます。

個人情報や企業の情報は、紙媒体ではなくネット上に保存するなど、データはネット上に残すようになりました。

そこで、情報セキュリティを守る体制がなければ漏洩や改ざんで企業を攻撃する被害にあってしまいます。

事例|私鉄Webサイトの情報改ざん

2020年8月、私鉄のWebサイトにある新型コロナウイルス感染症の注意喚起ページに、全く無関係なカジノサイトが表示されていました。

約2週間にわたり改ざんされていたと推測されています。

参考:https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/special/detail/210105.html

風評被害

企業におけるデジタルリスクの2つ目は、顧客からの攻撃的な口コミや企業SNS炎上などの風評被害です。

近年ではSNSの普及により、風評被害のデジタルリスクが特に懸念されております。

風評被害に関しては、こちらこちらの記事で解説してあります。

デジタル化により、企業の情報発信はWebやSNSが主流となりました。また、顧客はサービスに対してネット上で気軽に口コミを書けるようになりました。

そこで、企業側にとって悪影響を与えるような書き込みがされたり、企業側が誤って反感をかうような投稿をしてしまうリスクが高まっています。

事例|東日本大震災で発生したコスモ石油の風評被害

東日本大震災の震災直後にコスモ石油千葉製油所のタンク施設で火災と爆発が起きる事故が発生しました。直後にメールやTwitterで出所不明の「コスモ石油の爆発により、有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降るので外出の際は傘かカッパなどを持ち歩き、身体が雨に接触しないようにして下さい!!」
という情報が瞬く間に拡散され、一時的にパニックに陥りました。

参考:https://fastalert.jp/column/disaster-prevention/corporate-harmful-rumor#%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E3%81%A7%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2%E7%9F%B3%E6%B2%B9%E3%81%AE%E9%A2%A8%E8%A9%95%E8%A2%AB%E5%AE%B3

ITリテラシーの差

企業におけるデジタルリスクの3つ目は、ITリテラシーに差が開いてしまうことです。すでにITリテラシーが低い従業員が問題となっているのではないでしょうか。

タイピングが遅い・アプリケーションになれるのが遅い・チャットの返信が遅い

デジタル化により、このような従業員が浮き彫りになっています。

また、ITリテラシーには上記のようにITに関する知識や活用スキルが挙げられますが、適切な使い方ができているかも挙げられます。

事例|会社員による不適切なネットの活用

2016年に起きた熊本地震で、会社員の男性がSNSに「動物園からライオンが逃げた」という投稿をし、熊本県警に逮捕されました。

会社員の男性は所属している会社が判明された場合、会社側もネガティブな印象を受けてしまう可能性があります。

企業のデジタルリスク対策|デジタルリスクマネジメント

ここからはデジタルリスクマネジメントについて紹介します。

デジタルリスクマネジメントとは、先ほど紹介したようなデジタルリスクを管理することです。事前に対策してデジタルリスクを防ぎます。

デジタルリスクコンサル導入の前に|企業でできるデジタルリスク対策

企業内でできるデジタルリスク対策について紹介します。

情報セキュリティ対策

ソフトウェアを使っている場合、ソフトウェアの保証期限がきれていないか調べましょう。
保証期限が切れていれば、セキュリティ環境が維持できていない可能性があります。

また、セキュリティソフトの導入やPC内のセキュリティ環境がチェックできるソフトを導入しましょう。

ITリテラシー

従業員のITリテラシーを高めるのも、デジタルリスクマネジメントの1つです。ITリテラシーを高めるには、従業員のSNSやWebの利用規定を設け、研修しましょう。

風評被害対策・デジタルリスクマネジメントは炎上対策にも

デジタルリスクマネジメントは、企業の風評被害対策や炎上対策にも繋がります。

風評被害対策には多くの種類があります。

以下の記事で解説してあります。

炎上対策に関する記事
クレーマー対応に関する記事
労務管理に関する記事
口コミ削除に関する記事
サジェスト対策に関する記事

DXとデジタルリスクマネジメント

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、かんたんに言うと、デジタルを通して企業が新たなビジネスモデルを確立することです。

DX推進にあたり、デジタルリスクが妨げとなるケースや、DXとデジタルリスクに関するケースについて紹介します。

デジタルリスクがDX推進を妨げる

DX推進でリモートワークも普及しました。

そこで、企業内情報を持ち出したり、公共Wi-Fiでの作業により情報漏えいやコンプライアンスに反するリスクが増大したケースが見られています。

また、紙媒体がデータ化され、従来紙媒体でされていた承認が、省略されてしまたケースも見られます。

このようにDXはデジタルリスクを伴います。

デジタルリスクコンサルとは?おすすめサービス紹介

企業内でデジタルリスクマネジメントする以外に、デジタルリスクコンサルに依頼するという方法もあります。

デジタルリスクコンサルとは、企業のデジタルリスクマネジメントを代わる企業です。

セキュリティなどはソフトウェアなどを通して評価できるシステムが存在しますが、風評被害などのデジタルリスクを客観的に判断するには困難であるため、風評被害対策を目的としたデジタルリスクコンサルが多く存在します。

以下で紹介するようなサービスがあります。

株式会社デジタルリスクマネジメント

Web・SNSに特化したデジタルリスク支援サービスを提供しています。SNS自動監視
システムや社員・スタッフ向けのSNS運用研修など、幅広いサービスを展開しております。
参考:株式会社デジタルリスクマネジメント|サービス紹介ページ

株式会社ソルフェリオーナ

風評被害対策業界のリーディングカンパニーです。Web上の誹謗中傷や風評被害など様々なWeb上のリスク対策が可能です。

企業のWebページや関連するKWデータから、企業がどれくらいのデジタルリスクを負っているのかを診断でき、診断結果から最適な対処方法をアドバイスできます。

詳しくはこちらのページを参照ください。

デジタルリスクに関するセミナー紹介

デジタルリスクに関するセミナーを紹介します。

デジタルリスクフォーラム2021|デジタルリスク協会

一般社団法人デジタルリスク協会は、デジタルリスクフォーラム2021を開催しました。定期的にセミナーや特別講師による勉強会を開催しているため、参加してみましょう。参加は無料です。

先進リスク予防、対策の導入に積極的で協会の趣旨目的に賛同し、理事会にて入会を承認された企業又は団体は会員となれます。

会員は、セキュリティ対策部会といった、セキュリティレベルについて話し合う部会に参加できます。

参考:デジタルリスク協会|会員制度

デジタルリスクのマネジメント体制を整えて企業の対策を進めよう

今回はデジタルリスクについて解説しました。
デジタルリスクのマネジメント体制を整えて企業の対策を進めましょう。