Google口コミに個人名が出されていて消したい場合、削除は依頼できるのでしょうか?
Googleで店舗名や企業名を検索した際に、Googleマップと、電話番号や住所などの詳細情報とともにGoogle口コミが出てきます。

Google口コミは、実際に企業や店舗に行かなくても企業やお店の雰囲気や利便性などがある程度想像できるため、ユーザーにとっては便利な機能です。
実際に、口コミを調べてから来店を検討する人は増えてきました。

Google口コミはユーザーにとって便利な機能ですが、企業側にとってもお店や企業の位置や詳細情報を載せられるため、便利な機能です。企業はGoogleマイビジネスに登録してGoogle口コミを開設し、Google口コミの数や質を高めれば、検索結果において露出が増えるという利点もあります。

しかし、Google口コミには、ときに根拠のない悪口や悪意目的の書き込みが存在します。中には、個人名が出されている書き込みも見受けられます。このようにGoogle口コミで個人名が出された場合、削除はできるのでしょうか?

結論、Google口コミで個人名が載っているものは削除可能です。しかし、削除するに当たりポイントがあり、それを抑えていなければ確実な削除は難しくなります。また、Google口コミで実名を削除できるかできないかの基準も存在するため、基準を抑えてから削除する必要があります。

そこで今回の記事では、Google口コミで個人名が出された場合の削除方法を紹介します。

ネット上における口コミの影響度−削除したくなる理由

なぜGoogleなどネット上で個人名を出されて削除したい人や、口コミを削除したい人がいるのでしょうか。

これには、ネット上における口コミの影響度が関係しています。

口コミの影響度は高くありますが、どの程度影響を及ぼしているのか解説します。

商品の購入時や、サービス・店舗を利用する際に、ネット上の口コミを参考にしている人は、約6割も存在します。

若い世代ほど、商品購入やサービス・店舗利用時に口コミを参考にする人が多く、10〜30代の女性では、7割が口コミを参考にしています。

(参考:マイボイスコム「ネット上の口コミ情報」に関するインターネット調査

さらに、コロナウイルスの影響により、31%の人がコロナ禍でさらに口コミを読むようになりました。67%の人が口コミに「コロナ対策が行われていない」と書かれているとそのお店の来店をやめ、17%の人はお店がコロナ対策を行っていないとネガティブな口コミを投稿しています。

(参考:findstack「The Ultimate List of Online Review Statistics for 2022」

このように口コミは顧客にとっても提供者側にとっても大きな影響を及ぼしているのです。

また、口コミで来店をためらう顧客がいる場合、企業側は気づかぬうちに機会損失を経験しています。

飲食店の場合、2021年と2019年に比べて、ホットペッパーや食べログといった大手ポータルサイトの口コミを参考にする人は徐々に減ってきており、代わりにGoogleの口コミを参考にする人が増えていることが明らかになっています。

(参考:株式会社エフェクチュアル「口コミ・レビューはどのサービスを参考にする?」

グーグルの口コミを削除したい場合−ネット口コミの削除

Google口コミで個人名が出された場合、個人名が書き込まれた口コミ自体を削除しなければいけません。

そこで、Google口コミ自体の削除について解説します。

Googleで削除できるコンテンツ

まずはGoogle側で定められている削除可能なコンテンツについて解説します。

Google社が公表している「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」では、禁止されている投稿やコンテンツについて規定しています。

口コミに関わらず、すべてのGoogleにあるコンテンツで禁止されている内容は以下です。

ポリシーに反する口コミ

Googleマップにおいて、ポリシーに反する口コミは削除依頼により削除が可能です。Google口コミについては次のように定義付けられています。

  • ユーザー作成コンテンツがすべての利用者によって有益なものとなるように策定

このようにGoogleマップでは、一般的にネット上でも重視されている「公益性」のない口コミは削除対象となっています。ユーザーが見たときに「得する口コミである」と思われるかが重要なポイントとなります。

(引用:Googleマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー

スパムと虚偽のコンテンツ

スパムとは、迷惑な行為を意味し、具体的には顧客の意思に関わらず、無差別で大量にメッセージをばらまかれる行為です。
虚偽のコンテンツは、Googleが提供する価値が下がってしまい、検索エンジンとしての信憑性も下がってしまうため、禁止されています。

関連性のないコンテンツ

関連性のないコンテンツもまた、提供価値が下がってしまうため、禁止されています。

制限されている商品の宣伝

タバコやお酒など、制限のある商品の販売促進をするような口コミは削除対象です。

違法なコンテンツ

法に触れる内容や関連するものは削除されます。

特に削除対象となる口コミには、以下の法律に当てはまるケースが多いようです。

  • 名誉毀損罪:他人の名誉を傷つける行為
  • 侮辱罪:他人の人格を蔑視する価値判断の表示行為
  • 信用毀損罪:虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損する行為
  • 営業妨害罪:嘘や脅しなどによって人の業務を妨害する行為

以下にあてはまるコンテンツ

  • テロリストのコンテンツ
  • 露骨な性的表現を含むコンテンツ
  • 不適切なコンテンツ
  • 危険なコンテンツおよび中傷的なコンテンツ
  • なりすまし

これらに該当した投稿は、Googleが自動的に検出、もしくはユーザーからの削除依頼によって削除されます。

(参考:Google「禁止および制限されているコンテンツ」

Google口コミを削除できる基準

Googleに投稿された口コミは、以下の3つのケースに該当する場合、削除依頼を行うことで削除できます。

  • Googleが禁止しているコンテンツ
  • Googleのポリシーに反しているコンテンツ
  • 法律違反の口コミ

原則として、悪質な記事が書き込まれたページを完全に削除するには、サイトの管理者に削除申請をする必要がありますが管理人に削除依頼ができない場合など以下のケースに当てはまれば、Google側に削除依頼すれば、検索結果から表示させないよう求められます。

  • サイト管理者の連絡先が不明
  • ドメイン登録者が代行業者で、サイト管理者の連絡先が不明
  • 海外サーバーを使ったサイトのため管理者と連絡がとれない

Google口コミは削除申請できるのか

Google口コミは削除申請ができます。しかし、削除申請する際にはいくつかの方法があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。

また、本題でもある通り、個人名を載せられた場合や、Googleマップにのせたオーナーとして削除する方法などさまざまなやり方があります。

名指しのGoogle口コミを削除する方法

では、個人名が出されたGoogle口コミを削除する方法を紹介します。

Google口コミを本人が削除する方法

第3者の力を借りずに、自身でGoogle口コミを削除する方法を紹介します。

一般ユーザーとして口コミを報告

Googleマイビジネスで店舗情報を管理していない場合でも、一般ユーザーとして口コミを報告できます。

まずはGoogle検索からの店舗や施設を検索し、右側に表示されるナレッジパネルからのビジネスプロフィールの「Googleのクチコミ」をクリックします。

削除したい口コミの右上にある三点リーダーをクリックし「レビューを報告」を選択します。

削除を希望する口コミの投稿者名の右側をクリックし、「違法コンテンツを報告」をクリックします。
次にメールアドレスを記入し、該当する違反の種類を選択します。最後に「送信」ボタンを押して、報告します。

ポリシー違反を報告して削除を求める方法

Google検索やGoogleマップの検索結果に表示される店舗情報を編集、管理するための公式ツールである、Google マイビジネスから口コミの削除申請が可能です。

まずGoogle マイビジネスホーム画面の「クチコミ」から口コミの一覧を表示させます。

削除依頼をしたい口コミの右上にある三点リーダーをクリックすると、「不適切なクチコミとして報告」が表示されます。

以下から項目を選択します。

  • この投稿には悪意のあるコンテンツ、暴力的なコンテンツ、不適切なコンテンツのいずれかが含まれている
  • この投稿には広告またはスパムが含まれている
  • トピックに無関係な内容が含まれている
  • この投稿には利害対立に関係する内容が含まれている

投稿者自身にクチコミを削除させる

口コミを投稿した人の個人情報が特定できる場合は郵送で削除依頼する方法です。

法的措置

日本の法律に基づき、口コミの投稿者の特定もできます。手続は、

口コミが申し立てを行う人に対する誹謗中傷であることが認められる場合が可能で、URLや投稿のスクリーンショットの提出が必要です。

発信者情報開示仮処分命令申立により、IPアドレスを手に入れ、プロバイダを特定し、契約者情報の開示を求め、裁判を起こすという流れになります。

グーグル口コミにある個人名は削除依頼できるのか

個人情報の削除リクエストフォームから可能です。

プライバシー上の理由から、個人情報の削除をリクエストできます。

Google口コミにある個人情報、個人名の削除をリクエストする場合は、該当するサービスのフォームからリクエストを送ります。各フォームは「Google からコンテンツを削除する」のページから利用できます。

リクエストを送ると、Google は個人のプライバシーの権利、情報へのアクセスに関する公共の権利、および情報を配信する第三者の権利のバランスを考慮しながら審査します。

金融詐欺、専門職の違法行為、有罪判決、公務員の公的行為に関する情報については、削除できない場合があります。

Google口コミにある個人名の削除を本人がしないほうが良い理由

Google口コミで削除依頼をしても、必ずしも削除されるとは限らないためおすすめしません。

では、Googlemapにでてくるクチコミは個人で対処する以外にどのように削除できるのでしょうか?

口コミ削除を弁護士に依頼

口コミを弁護士に依頼して削除する場合です。特に法律上の判断が重要である内容の場合は、一度弁護士にチェックしてもらうとよいでしょう。

口コミに真偽を確認する対象となり得る内容であったり、社会的評価を下げる内容が含まれていれば、削除対象となる可能性が高まります。

内容証明や警告書の作成・送付、発信者の特定・情報開示サイト運営者に対する削除依頼、損害賠償請求・交渉、交渉により和解した場合の和解書の作成・締結、刑事告訴する場合の告訴状の作成など、

法律に関する専門知識が必要な場合は弁護士への相談が良いでしょう。

無料で内容を相談できる場合がありますので、まずは相談してみるのが良いでしょう。

グーグル口コミでの名指しは名誉毀損になるのか?

グーグル口コミで名指しされた場合だけでは、名誉毀損にはなりません。しかし、その内容が誹謗中傷などに当たる場合は、名誉毀損となる場合があります。

名誉毀損罪(刑法230条)となる場合は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した」ときです。不特定多数の人に情報が伝達され得る状態であること、社会的評価を低下させる具体的な事実を示していること、社会的名誉が毀損されていることが条件となります。

グーグル口コミで名指ししただけでは名誉毀損にはならず、その口コミの内容によって名誉毀損かどうかが左右されます。

グーグル口コミの削除依頼

実は削除申請とは別に、「削除交渉」という口コミ削除をGoogle側に直接交渉するという手段があります。

しかし、この削除交渉に関するテクニックを身につけるのは困難であり、専門業者に頼む必要があります。削除交渉に関する知識を身につける必要や、初心者が失敗するリスクが大きいためです。

専門業者の場合、Googleやサイト側への削除交渉に慣れているため、スムーズな交渉と成功率の高いアプローチが可能です。また、口コミ削除後のフォローや、コンサルティングもできるため、安心して依頼できます。

削除申請などは、実際のところ交渉率が低いのですが、削除交渉をすると、Google側は交渉に応じるため、高確率で削除に成功できます。しかし、専門知識は必須となります。

また、口コミを削除するだけでなく削除以外の最適なプランを打ち出せます。

口コミを削除してもらうには費用が必要なため、留意しておきましょう。

Googleの口コミ削除にかかる費用は?

Google口コミを業者や弁護士に依頼して削除する場合、平均的なもので1回15万円以上します。しかし、コンテンツの内容によって変動します。

個人でGoogleに削除依頼するならば無料でできます。それに対し、専門業者や弁護士に依頼すると費用がかかってしまいます。しかし、削除されない場合を想定すると「費用対効果」で費用を考えたほうが良いでしょう。

こちらの記事ではGoogle口コミの削除費用について解説しています。

グーグルの口コミ削除にかかる期間は?

Google口コミは削除依頼してから早いもので数週間後に削除が完了しますが、コンテンツによっては数ヶ月の期間を有する場合があります。

このように費用や期間を見越した上で対策を取りましょう。

こちらの記事ではGoogle口コミなどの削除に関するポイントについて解説しています。

Google口コミにある個人名,名指しを削除したい場合は

今回の記事では、Google口コミで個人名が出された際の削除方法について紹介しました。企業の人事・営業担当者だけでなく、店舗のアルバイトなどは、自己紹介したり名刺を渡したりしなくても名札で顧客から個人名を覚えられてしまいます。

顧客が不満を感じた場合、企業側に直接言わずに口コミを通して間接的にクレームを言う人が存在します。直接言うには躊躇いがあったり、時間がない場合もあるためです。直接クレームを言わない人はサイレントクレーマーと呼ばれており、日本での割合は高いと言われています。

Googleなどネット上のレビューなどで個人名を出されて批判された場合、企業や店舗を検索した人に対し、書かれた人の個人情報が広まってしまいます。また、企業自体の評判も悪くなってしまいます。ネガティブな口コミが顧客に見られてしまった場合、売上減少が見込まれるほど、口コミは顧客に大きな影響を与えます。

そこで、Google口コミで実名が出されている場合は削除しましょう。個人名は削除が可能です。Googleのプライバシーポリシーを読み、どのようなコンテンツに当てはまっているのか確認しましょう。削除方法がわからなかったり、効果的な削除方法や他の口コミも削除したい場合は、専門業者に相談しましょう。