インターネット上のコメント欄などで、企業に対して批判や誹謗中傷などを含む投稿が集中で叩かれたりするケースが見受けられるようになってきました。こうしたいわゆる炎上は、どの企業でおきてもおかしくありません。炎上による損害は、心理的・経済的なものが発生し、炎上してからブランドイメージを取り戻すには時間を有します。

今回の記事では、企業が炎上した事例をブログ・広告・SNSにわけて紹介します。炎上事例のあとには炎上対策と万が一炎上した場合の対処法を紹介します。炎上の事例を参考にして、一度炎上をおこさないための対策をたててみましょう。

企業の炎上事例集まとめ|ネット・広告

ここからは企業の炎上事例集を紹介します。

企業のネットブログ炎上事例|取締役のブログ

とある企業の取締役が保有する個人ブログが炎上してしまったケースです。

当時取締役の企業を支えていた事業の狙いが外れ、撤退を余儀なくされた状況でした。
そのような状況を皮肉った、『エンジニア採用支援をしている会社のエンジニアが大量に辞めた件』のような釣りタイトルで、一緒に働きませんかというのをネタにした中身ブログ記事を書いてしまいました。

ブログのコメントでは、「最悪だ」、「モラルが欠如している」、「結局、人売りハッカソンかよ」『こいつはエンジニアをなめてるのか』と、大炎上してしまいました。

ほんの出来心で書いたブログの炎上は、想像以上の威力で、個人だけでなく事業にも大きなダメージをもたらしました。ブログ情報は、はてなブックマークで話題になり、当時流行っていたキュレーションアプリでも配信され、手がつけられないほど拡散していきました。

企業の広告炎上事例|2021年

駅の広告|炎上事例

品川駅のコンコースにある数十台のディスプレイに「今日の仕事は楽しみですか」という広告が表示されました。

その写真がTwitterで広がると、「見た人を傷つける」「楽しみでなくても、しなくてはならない仕事はあるのに」などとTwitterで批判が集まってしまい、広告を出稿していた広告主が「利用者の方々への配慮に欠く表現だった」と謝罪し広告を停止するという騒動になりました。

広告は1日で撤去されてしまい、広告の効果はマイナス、広告予算が無駄となったのです。

CM|炎上事例

西武・そごうのCMが炎上しました。2019年の元日に公開されたもので「女の時代なんて、いらない。」というせりふから始まるものです。

クリームパイをぶつけられた女性が、「女だから、強要される。女だから、減点される」といったセリフを喋るCMです。

SNSでは、「男目線からの女の活躍しか考えられない政府や社会への批判」といった支持も一部あった半面、パイを投げつけられる写真に不快感を示す意見や、「男女差別の社会構造を無視し、個人の問題に矮小(わいしょう)化している」という意見など、ジェンダー問題に関する批判も集まりました。

企業側は朝日新聞の取材に「女性を応援したいという思いを込めており、ここまでの批判は予想していなかった。ただ、表現に直感的に不快だと感じた方がいるのは理解できるし、おわびしたい」とコメントしましたが、広告自体は取り下げませんでした。

企業の炎上事例まとめ|ソーシャルメディア

ここからはソーシャルメディアに特化した企業の炎上事例を紹介します。近年では企業のアカウントが不適切な発言をして炎上を起こす事例が多発しています。

企業のTwitter炎上事例|公式アカウント

炎上事例|不謹慎な発言

長崎市に原爆が投下された8月9日に、東京ディズニーリゾートがTwitterの公式アカウントで英語を直訳した「なんでもない日おめでとう。」とツイートを投稿しました。

SNSでは批判が殺到し、該当ツイートの削除とタイミングを考えずに不適切な発言をしてしまったことに対する謝罪を行いました。

炎上事例|個人に不適切なコメント

楽天トラベルの公式Twitterアカウントが、アーティスト・柴田淳さんに「ぶさいく」とコメントを送り炎上しました。Twitterユーザーからは「許せない」「そんなこと言うなんてひどい」という柴田淳さんに同情する声があがりました。

企業のYouTube炎上事例

YouTuberがスシローの店内で、店員の目を盗み回転レールの上に小型カメラを設置して来店客や店員の様子を映しました。カメラはバックヤードで回収されましたが、すぐに店側が返却したためカメラで撮られた店内の様子はYouTube上に発信され、カメラ設置の衛生面やプライバシー問題などで批判を浴びました。

企業側はこのように謝罪しています。

当社店舗において撮影された動画公開について

このたび当社店舗を利用された方が、ポータブルカメラを回転レーンに設置し、店舗内を撮影のうえ、その動画をインターネット上の動画共有サイトにて公開したことが判明いたしました。

掲載された動画は、当社が撮影ならびに撮影許可したものではございません。

撮影が行われた際、店舗におきまして十分な対応が行われておらず、お客様には、ご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申しあげます。

当該店舗につきましては、回転レーンを含め、清掃及び消毒を終了しております。

本行為は、衛生管理の観点ならびにご来店いただいたお客様のプライバシーの観点から許されることではなく、現在、警察当局に相談させていただいております。

今後同様の行為がおこらないよう、各店舗への注意喚起を徹底するとともに、本件当該動画投稿者ならびに今後同様の行為を行った者に対しては、法的措置を含めた厳格な対応を検討して参ります。

お客様にご不快な思いと多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

スシロー「当社店舗において撮影された動画公開について」より(2018年3月10日付リリース)

このように迷惑なYouTuberのせいで企業側のイメージが悪くなるケースもあります。この場合、企業側はYouTuberに対して、無断で撮影した動画の削除を要求するべきだったでしょう。

企業のInstagram炎上事例

不適切なハッシュタグ|炎上事例

ディスカウントショップ「ドンキホーテ」は投稿に「#みんなはドンキで何盗んだことある?」というハッシュタグをつけて投稿したことで、物議を醸しました。

ハッシュタグに「#これは大喜利です」がつけられていたため、ネタとしての投稿と見受けられますが、企業アカウントの投稿としては不適切として炎上してしまいました。

薬事法・景品表示法違反とステマ|炎上事例

パーソナル肌診断のもと、ユーザーの肌の悩みに合わせたサプリをセットで販売しているサプリメント企業「FUJIMI(フジミ)」は、薬事法違反の表記で炎上してしまいました。

Instagramの投稿で、『乾燥知らずのうるおい肌へ』と書かれた投稿です。サプリメントは医薬品ではないため、本来「〇〇を解決する」という表記は薬事法違反に該当するためできません。

また、同社はSNSマーケティングにも力を入れており、インフルエンサーも同等の表現をしていました。アフィリエイトやステルスマーケティングなどインフルエンサーを買収したPR広告の場合、景品表示法が適応されるため、インフルエンサーの投稿文に違反する文章がないかもチェックが必要でした。

企業のFacebook炎上事例

社員が商品を擁護した炎上事例

Facebookは実名での利用が基本であるため、炎上するケースは少なくあります。

海外のホンダのFacebookで、ホンダの従業員であることを明かさずに車のデザインを擁護し、それが社員の投稿だと分かり炎上したという事件がありました。

従業員という身分を明かさずに商品を擁護したため、ヤラセではないのかという不満を招いてしまったのです。

顧客の不満に向き合わなかった炎上事例

NTTドコモが発表した個人会員サービスの改定に怒ったドコモユーザーが、ドコモのFacebookページでの投稿に対し、批判を繰り返したことで炎上となりました。

批判を繰り返しても普段通りの投稿を続けた結果、さらなる不満を招いてしまったのです。

企業の炎上事例まとめ|個人情報流出

破産者マップは、自己破産した人の情報を官報から取得しGoogleマップ上で簡単に確認できるようにして公開したサービスです。

本人同意のや、第三者提供についての手続きが取られていなかったことから、個人情報保護委員会により行政指導が加えられました。
また、破産者情報というデリケートな情報を積極的に公開することが倫理的に問題視され、炎上につながりました。

逮捕につながった炎上事例

この事件は企業側が被害を受けた事件です。

しまむらで購入したタオルケットに、穴が空いていたという理由で子連れの主婦(43歳)が大声を出し、対応した店員2人に土下座させて写真を撮ったうえ、自宅まで謝罪に来るよう言いました。

それだけでなく、主婦は土下座させた写真を「従業員の商品管理の悪さの為に客に損害を与えたとして謝罪するしまむら苗穂店の店長代理○○(デブ)と平社員○○。土下座させるお客様凄い凄過ぎる怖い怖過ぎる」という文面とともにインターネット上で公開したのです。

匿名掲示板では「店員を土下座させたクレーマーがいる」という噂が広がり、瞬く間に氏名や住所を暴かれ、自宅近くで娘と一緒の写真まで撮られてしまいました。

事件からおよそ1ヶ月後店員からの被害届を受けて、なんとこの主婦が警察に逮捕されました。

企業が炎上を防ぐには

さまざまな炎上事例を紹介してきましたが、実際企業が炎上を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

モニタリング

返信欄や、ネット上での評判をチェックする方法です。
返信欄は通知設定で常に見られますが、SNSでの企業の評判は、企業名を検索したり商品名を検索しなければ見られません。

また、企業名の一部を◯にしたり、絵文字で表したりと正式な企業名や商品名で書き込んでいない投稿も見受けられます。

そのため、企業名や商品名に関連するキーワードと検索してみるのも一つの手段です。

モニタリングを日々していれば、顧客が不満を感じている内容にいち早く気づけ、さらなる悪い投稿が防げます、それだけでなく、炎上させるようなポイントが見抜け、サービス改善にもつながるでしょう。

炎上してしまう前に、日頃からの顧客の投稿に目を光らせましょう。

チェックツール

炎上対策にあたり、モニタリングは、日々企業名や商品名を検索しなくてはならなく工数が多くなってしまいます。

そこでモニタリングサービスの利用をおすすめします。

監視サービス

企業の代わりに目視で監視を請け負うサービスです。チェックツールよりもより詳細、企業のニーズに合わせたものがあります。

ガイドラインの策定

企業で情報発信するにあたって、ガイドラインを策定してルールを決めましょう。
例えば、投稿に含んではいけないコンテンツや、チェック体制を規定しましょう。どのような投稿はしていけないのか事前に決めておけば、炎上対策できます。

運営を新人に任せっきりにするのではなく、上司が投稿内容をチェックするようにしましょう。特に企業のSNS運営は、SNSに慣れている新入社員や学生アルバイトにまかせている企業が多く見られます。
しかし、リテラシーを理解しているかどうかはわからないため、確認は必要でしょう。

ガイドラインは、一人で策定するのではなく、企業の人事・広報を含めて策定しましょう。

研修

ガイドラインを策定したら、炎上対策するための方法を従業員間で共有し、炎上対策にそった情報発信の仕方について教育しなければなりません。

情報発信のガイドラインを策定したら、従業員に対してSNS投稿に関する研修をしましょう。

炎上で企業がどのようなリスクを負ってしまうのかや、事例を紹介すると効果的です。

こちらの記事では具体的な炎上対策について紹介しています。

炎上事例をもとに炎上対策しよう

今回は企業の炎上事例を紹介しました。炎上事例を参考に、ネットやSNSでの情報発信でどれくらいのリスクを伴うのか理解していただけたでしょうか?この炎上事例をもとに、炎上対策しましょう。