会社名や商品名を検索した際、検索したキーワードの横に「〇〇 最悪」「〇〇会社 2ch」というような検索候補(サジェスト)が出てきた場合、検索ユーザーに企業や商品に悪いイメージを与えてしまいます。
せっかく検索ユーザーが企業や商品に関して興味を持って検索しても、そのような検索候補で悪いイメージがついてしまっては、購入や就職などの検討を断念してしまうかもしれません。
さらに、会社名や商品名を検索した際に出てくる検索候補を対策しなければ、売り上げが下がるなどの被害も出るかもしれません。
実際、企業名や商品名を検索した際、「迷惑」や「辞めたい」と出てきてしまい、困っている方や、そういった被害を防ぐために何かしら対策したいという方はいるのではないでしょうか。
現時点で悪いイメージを与えるような検索候補が出てこなくても、出てこないようにする対策や、Web検索でのイメージを良くするために「サジェスト対策」をする人は増えています。
そこで今回の記事では、このサジェスト対策を自分でやる方法を紹介します。
サジェスト対策とは
まず、サジェストについて、何を指すのか分からない人へかんたんに説明します。
サジェストとは、検索候補のことで、
例えばGoogleなどの検索エンジンで文字を打ったときに、検索の候補として下にでてくるキーワードのことです。
検索ユーザーにとっては、関連する情報を得られたり、他の人がどのようなキーワードも検索しているのか調べられたりするため、便利な機能です。
下の図は、Googleで東京都と調べたときの検索画面です。
東京都と検索したときに、下に「東京都 中央区」「東京都 ホームページ」と出ています。
この「中央区」や「ホームページ」にあたる部分がサジェストです。
サジェストを検索すると、それに関連した内容の記事や口コミが出てくる場合がほとんどです。
例えば、東京都と検索して「東京都 雪」クリックすれば、東京都で雪が観測された情報などが出てきます。
Yahoo!JAPANの検索画面では、サジェストは以下の図のように表示されます。
ネガティブサジェストとは
ネガティブなサジェストとは、ユーザーに悪い印象を与えてしまうような検索候補のことで、「最悪」や「迷惑」というようなサジェストを指します。
先程も説明したとおり、サジェストを検索すると、それに関連した記事などの情報が出てくる場合がほとんどであるため、ネガティブサジェストをクリックすると、ネガティブな記事やサイトが出てきます。
また、サイトや口コミで多く使われているワードがサジェストにでてくる場合もあります。
例えば、口コミサイトで〇〇という商品に「最悪」と多く書かれていた場合、サジェストに最悪と出てきて、「〇〇 最悪」と検索候補に出てきてしまいます。
サジェスト対策しないと起こる3つの被害
サジェストを対策しなくて、ネガティブサジェストが出てきてしまったときに起こる被害を3つ紹介します。
顧客減少
1つ目は、サジェストを対策しないことによる顧客の減少です。
最近では、商品や企業を検討する際、ネット検索が主流となっています。SNSや広告で興味・関心をもった商品や企業をWebでも調べるケースもあります。
そこで、ネットで検索した際にネガティブサジェストがある場合、イメージを悪くしてしまい、購入をためらったり、他の商品や企業について検索して検討されるかもしれません。
その場合、企業や商品を検討している顧客を逃してしまいます。
商品や企業について興味関心があり、検討段階にいる顧客は、企業側にとって見えづらいのが特徴です。
そのため、企業側が気づかぬうちにサジェストの印象で顧客を逃してしまうというケースもあります。
検索候補の上位に表示されやすい
2つ目は、検索候補の上位に表示されることです。
ネガティブなサジェストを対策しなければ、そのサジェストは、検索候補一覧の上位に表示されやすくなってしまいます。
なぜなら、人はネガティブなサジェストのほうが気になってクリックしてしまうためです。
例えば、求職者の場合、気になる企業〇〇会社について検索したとき、
検索候補に「〇〇会社 子会社」「〇〇会社 代表」「〇〇会社 パワハラ」と出てきた場合、
興味のある会社にパワハラがあるのかと感じてしまい、「〇〇会社 パワハラ」が気になってクリックしてしまいます。
サジェストは、諸説や他の条件もありますが、検索回数が多いと上位に表示されやすくなります。
そのため、ネガティブサジェストは上位に表示されやすくなり、さらに多くの人に注目を集めてしまい、悪い印象を与えてしまうのです。
求職者現象
3つ目は、求職者の減少です。
先程も説明したとおり、求職者が気になっている企業を検索した際に、ネガティブサジェストを目にしてしまうと、気になってクリックしてしまいます。
さらに、クリックした先にネガティブな情報が含まれているサイトや口コミがあれば、それを見てしまうでしょう。
その情報が誹謗中傷目的であったり、事実無根であったりしても、求職者にとって気になる企業が悪く書かれていれば、志望度は下がってしまいます。ほかの企業を検討してしまうかもしれません。
そのため、サジェストを対策しなければ、求職者が減少してしまうのです。
特に最近ではWebで企業を検索する求職者が増えているため、採用戦略としてサジェスト対策する企業が増えています。
サジェスト対策を自分でする前に
サジェスト対策を自分でする場合、対策前にするべきことを3つ紹介します。
サジェストを消す場合、完全に削除できない
後ほど紹介しますが、ネガティブサジェストを消す方法があります。
しかし、すべてのサジェストが消去できるわけではありません。検索エンジンや運営側の方針によって、削除できないサジェストがあります。
サジェストは、希望を出せばどんなサジェストであろうと100%消去することは、自分でやる場合でも、会社に依頼する場合でも、弁護士に依頼する場合でも不可能です。
この点を留意してサジェスト対策に取り組みましょう。
サジェストを洗い出す
どのような検索候補があるのかを調べてみましょう。
検索画面に出ていないサジェストもある場合も考えられるため、サジェストを洗い出しましょう。
検索画面に出ていないサジェストがあるかどうかや、出ていないサジェストはGoogleキーワードプランナーなど、ツールを使えば洗い出せます。
ツールを使ってみて、どのようなサジェストが出ているのかをチェックしてみましょう。
サジェストの洗い出しに使えるツールを紹介
サジェストを洗い出すツールには、無料で利用できる「ラッコキーワード」がおすすめです。
メールアドレスを登録し、メール内の認証URLをクリックするとユーザー登録が完了し、サービスを利用できます。
登録画面は、以下です。
サジェストをどのような状態にしたいかを設定
次に、サジェストをどのような状態にしたいかを設計しましょう。
以下でサジェスト状態の設定例を紹介します。
- ネガティブサジェストが検索画面に出ない状態
- ネガティブサジェストが完全にない状態
- サジェストで集客できる状態
サジェストをどのような状態にしたいのかは、状況を踏まえて判断しましょう。
①のネガティブサジェストが検索画面に出ない状態と、②のネガティブサジェストが完全にない状態では、ネガティブなサジェストが再び出てくる可能性が異なり、②の方が低くなります。
ネガティブサジェストがない方には、③の設定をおすすめします。
ネガティブサジェストがある状態で、サジェストで集客できる状態を目指してしまうと、逆効果となってしまいます。
サジェストで集客する場合、特定のキーワードを選んでサジェストに追加します。しかし、ネガティブなサジェストがある場合、特定のキーワードがクリックされる確率が低くなるためです。
サジェスト対策を自分で対応する方法
では、ここからは自分でサジェスト対策する方法を3つ紹介します。
サジェスト操作
1つ目は、サジェスト操作です。
以下の手法でサジェストをつくり、ネガティブサジェストよりも検索回数を上げて目立たなくさせます。
また、あまり印象の良くないサジェストキーワード候補を意図的に削除したり変更することもできることになります。
ネガティブでないサジェストには、以下2点のような施策に取り組みましょう。
- キーワードを多くクリックする
- そのキーワードに関連する記事を書く
上記①の、「キーワードを多く検索する」という施策は、検索エンジンペナルティを受ける可能性があるため、注意が必要です。
キーワードには、話題性やトレンドのあるものや、Googleの場合であれば、検索ユーザーの一人ひとりに適応されそうなもの(地域・年齢・性別など)が好ましいです。
サジェスト操作を自分でするのは難しい
しかし、サジェストを自分で削除するのと同様に、サジェストを新たに作り出すのも困難です。
サジェストは、基本的に長期間で生成されたり、不自然だと思われるサジェストは表示されないため、注意が必要です。
サジェストの削除を自分で運営側に依頼
2つ目は、サジェストの削除を自分で依頼する方法です。
下の図は、Googleの検索画面です。
この検索画面の右下に、「不適切な検索候補の報告」という箇所があります。
拡大してみると、このように見えます。
この、不適切な検索候補の報告を押すと、以下のような画面に進みます。
上図のように、不適切、削除したいサジェストを選択し、選択した理由を選びます。
以上で完了です。この場合、手続きがかんたんであり、誰でもできる反面、削除される確率が低いというデメリットがあります。
サジェストで法的な削除の申請が可能である場合は、「法律に基づく削除に関する問題を報告する」フォームから申請できます。申請の際は以下の情報の入力が必要になります。
削除の申請には、居住国・氏名・メールアドレスのほか、その検索候補が違法となる理由や、検索画面のスクリーンショットの添付・デジタル署名が必要となります。
(デジタル署名とは、送ったデータが本人のものであることを証明するのための技術で、Word、Excel、または PowerPoint などで作成できます。)
ヤフーで削除を申請する場合は、Yahoo!公式サイトにある「関連検索ワードに関する情報提供フォーム」で削除申請ができます。提供フォームに進むには、ログインが必要となります。
サジェスト広告を自分で出稿
3つ目は、サジェスト広告です。
サジェスト広告は、自らサジェストにキーワードを追加する方法です。最短1週間程度で表示されます。
サジェスト広告は、例えば、銀座にある美容院(ここでは〇〇)の場合、「銀座 美容院」と検索をした際に、店舗名をサジェストとして追加し、「銀座 美容院 〇〇」と表示させる方法です。
サジェスト広告は、GoogleでもYahoo!でも可能です。
サジェスト広告の費用
費用は、Googleが1日あたり1,000円〜で、Yahoo!は1日あたり5,00円〜です。キーワードの検索ボリュームによって費用は異なります。
サジェスト対策を自分でできない場合
サジェスト対策を自分でするのは難しそう、自分でサジェスト対策すると効果がなさそうと心配な場合の対処法を2つ紹介します。
会社依頼|サジェスト浄化など
サジェスト削除などのサジェスト対策を事業とする企業に依頼する方法です。
企業に相談すれば、以下のような対策方法を提案してくれます。
サジェストを消す
業者側が、検索エンジン側に直接削除交渉するやり方です。この方法を使って削除するには、時間やテクニックが必要であるため、対処できる業者は多くありません。
サジェストを隠す(逆SEO)
ネガティブサジェスト以外のサジェストを上位に表示させる方法です。
これは逆SEOと呼ばれます。普通のサジェストを上の方に表示させ、ネガティブでないサジェストが下位に表示され、ネガティブでないサジェストを目立たなくさせます。
この手法は、やり方を誤ってしまうとペナルティを課せられるため、注意が必要であり、自分で(個人で)取り組むのは危険とされます。
費用
削除にかかる費用は、1件あたり5万円〜で逆SEOの場合は、月5万円〜10万円が相場です。
削除や逆SEOだけでなく、その後のネット改善などのコンサルティングを含めると、費用が加算されます。
弁護士に依頼|サジェスト削除
弁護士に依頼する方法です。
サジェストが法律に反していたり、サジェストによって権利が侵害されたと主張できる場合、弁護士を通して削除できます。
自分の判断で、サジェストが法律に反していたり、サジェストによって権利が侵害されたかどうか判断できない場合は、一度相談してみましょう。
費用
弁護士に相談する場合、1時間1万円程度が相場とされています。
このように、自分でサジェスト対策できないと判断した場合、業者や弁護士に相談する選択肢もあります。
サジェスト対策を自分でできない場合は会社に相談しましょう
今回の記事では、サジェスト対策を自分でする方法について紹介しました。
サジェスト広告でサジェストを追加する場合でも、ネガティブサジェストはその場では消せません。
また、ネガティブサジェストを放置しておけば、対処にかかる時間が長くなります。
そのため、ネガティブサジェストやそれに関連する記事が出ていないか、定期的に監視し、自分で対応できない場合はまずサジェスト対策できる会社に相談してみましょう。