デジタルリスク研究所運営事務局です。最近、SNSを活用したマーケティングが主流となり、特にXは情報発信の場として欠かせない存在となっています。しかしながら、一方でXは、個人情報や企業情報を含めた機密情報の流出のリスクがあるため、企業にとっては監視が必須となります。また、炎上や批判的なツイートが拡散される可能性もあるため、マスコミ企業などでは、Web上での評判監視やクライシスマネジメントのためにX監視を行うことが増えています。

そこで今回は、企業がなぜX監視を必要としているのか、そしてX監視に利用できる最新ツール・サービスをご紹介します。

SNS時代に必要なX監視:企業が成功するために欠かせない理由

現代のビジネスにおいて、SNSは極めて重要な役割を担っています。特に、Xは企業が消費者の声を把握するための有力な手段となっています。企業がXを監視することには、多くのメリットがあります。

消費者の声を把握することができる

一つ目のメリットは、消費者の声を把握することができることです。X上には、商品やサービスに関する様々な意見や感想が投稿されます。消費者が直接企業にフィードバックを送ることがなくても、X上での発言を通じて企業は消費者のニーズや不満を把握することができます。その結果、企業は改善点を見つけ、より良い商品やサービスを提供することができます。

さらに、X上のトレンドやハッシュタグを監視することで、業界全体のトレンドを把握することもできます。特に、新製品の発売やイベントの開催など、業界全体に影響を与える出来事の情報を収集することができます。しかし、企業がX監視を行う際には、適切な方法で行うことが重要です。消費者のプライバシーに配慮し、適切な情報のみを収集するようにしましょう。また、虚偽の情報を発信するようなアカウントや、荒らし行為を行うアカウントに注意することも必要です。

競合他社の情報を入手できる

Xは、競合他社が投稿する情報を収集するために非常に役立ちます。企業は、競合他社の新製品の発売情報や営業政策の変更など、重要な情報を収集し、自社のビジネス戦略に取り入れることができます。また、競合他社の弱点を発見した場合、企業がその弱点を補完することで、さらなる競争優位性を獲得することができます。

タイムリーにリアクションできる

Xで発信される情報は、非常に迅速に拡散されるため、企業はタイムリーにリアクションすることが必要です。例えば、トラブルが起こった場合、企業はすぐに対応する必要があります。また、顧客の質問や問題に対しても、素早く対応することが必要です。Xを利用することで、企業はより迅速な対応を行うことができ、顧客満足度の向上につながります。さらに、迅速なリアクションによって、企業の信頼性やブランド価値が向上することが期待されます。

新商品の評判を把握できる

Xを利用することで、企業は新商品の評判を把握することができます。つまり、消費者からの反応や評価をリアルタイムで収集することができます。このようにして、企業は製品に関する改善点を把握し、改良することができます。

広告戦略の改善に役立てられる

X監視は、企業にとって自社製品に対するデータを入手するだけでなく、広告戦略の改善にも役立ちます。つまり、消費者の反応を分析し、広告戦略の改善点を把握することができます。このようなアプローチは、企業が効果的で成果の高い広告キャンペーンを展開するために重要です。

X監視用の最新ツール5選

1. Twitonomy

Twitonomyは、Xのアクティビティ情報を収集し分析することができるツールです。リツイートや返信、ツイートの回数やお気に入りの数など、さまざまな情報が取得できます。また、特定のキーワードやハッシュタグでのツイートをリアルタイムで監視することもできます。このツールは無料版もあり、単純なリスト表示ではなく、グラフやチャートなどで見られるため、わかりやすい分析が可能です。

2. Hootsuite

Hootsuiteは、X以外にもFacebook、LinkedIn、InstagramなどのSNSをワンストップで管理することができるツールです。X監視でも、自社アカウント、競合アカウント、業界内のアカウントなど、幅広く監視できます。また、分析機能が充実しており、ツイートのリーチやエンゲージメント、関連キーワードの分析などができます。有料版も用意されており、様々な機能が利用できるため、SNSマーケティングに必須のツールといえます。

3. Woopra

Woopraは、Web上のユーザーデータをリアルタイムで解析・可視化するためのSaaSサービスです。X監視においては、特定のユーザーに着目して、そのユーザーのツイートやフォロワー、アクティビティなどを把握することが可能です。

4. Social Mention

Social Mentionは、SNS上での特定キーワードやハッシュタグの使用状況を把握するためのサービスです。X監視においては、企業名や製品名、業界関連のキーワードを設定しておくことで、自社や競合に対する反応をリアルタイムで把握できます。

5. TweetDeck

TweetDeckは、X公式が提供するマルチタイムライン用のクライアントツールです。自社アカウントだけでなく、様々なキーワードを設定し、リアルタイムでツイートを収集することができます。また、スケジュール投稿機能も付いており、効率的なツイート管理が可能です。

以上、X監視に利用できる最新ツール・サービスをご紹介いたしました。ただし、直近のAPI規制によりいずれのツールも以前までの精度での監視は難しくなっているようです。APIに依存しない仕組みでのX監視をすることが出来るデジタルリスク対策業者は数少ないため、相談先を選定する際は慎重に情報収集をする必要があります。

また、X監視を怠ると、企業は消費者の声や業界動向を見逃してしまう可能性があります。それにより、競合他社の追随や、新たな需要の開拓ができず、市場から取り残されてしまうかもしれません。また、スパムや不適切な投稿の拡散により企業のイメージが損なわれ、信頼を失う可能性もあります。さらに、ネット上でのトレンドや風潮の変化を把握できず、時代遅れのビジネス手法に固執してしまうリスクも存在します。これらのことから、X監視は企業が成功するために必要不可欠なものと言えるでしょう。